4.13 高カリウム血症の治療

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4.13  高カリウム血症の治療
1.緊急時の対応
緊急性のある場合には、直ちに血液透析を開始する。次いで、高カリウム血症の原因を発見し、これを取り除く。
2.食事指導
高カリウム血症の原因がカリウム摂取量の過剰である場合には、まずカリウムの摂取量を減らすべく指導する。カリウムは、野菜、果物、芋類、海草、肉、魚に多く含まれている。これらの食材については、10分ほどゆで、ゆで汁を捨てることによりカリウム含有量を減らすことができる。しかし、カリウム含有量の減少の程度は一般に信じられているほど大幅なものではない。また、食材のゆでこぼしを厳密に実行すると水溶性ビタミンの喪失量が増大するので、ビタミン剤の補給が必要となる。また、ゆでこぼしで得られた食品では本来の風味が損なわれるので、食生活が味気ないものになるのはやむ得ない。
なお、筋肉量の少ない高齢者や全身衰弱の著しい患者では、たとえカリウム摂取量が同じでも血清カリウム濃度が上昇しやすいことに留意する必要がある。
3.薬物療法
食事指導と同時に、カリウムイオン交換樹脂(ポリスチレンスルホン酸カルシウム(薬)、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム(薬))を服用させ、便中へのカリウム排泄量の増大を図る。カリウムイオン交換樹脂は、1週間あたりの服用量が等しい場合、非透析日のみに服用させるよりも、連日服用させる方がより効果的である[1]。
ポリスチレンスルホン酸カルシウム
 アーガメイトゼリー
  (三和化学)
  カリメート
  (日研化学)
  エクスメート
     (ニプロファーマ)
  カリエード
  (東洋製化)
 カリセラム
 ポスカール
 ミタピラリン
ポリスチレンスルホン酸ナトリウム
  ケイキサレート
  (鳥居)
 カリセラム-Na
 

 

1.伊藤 晃:カリウム制限食、腎栄養学. 腎と透析 33(増刊号): 221, 1992.

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